ハープの弾き方アドバイス
脱力が大事
演奏テクニックで最も重要なのは「力を抜くこと」です。力の抜けないまま弾いていると、手を痛めたり、肩こり、腰痛、首の痛みを引き起こします。
例えば、4(薬指)、3(中指)、2(人差し指)、1(親指)の4つの指でドレミファと弾くとします。それぞれの弦に指を置いたら、指先以外の力を抜きます。脱力を確認できてら、ド、レ、ミ(4、3、2)と順番に弾きます。使う力は全て第二関節から来るイメージで、そこを曲げる事のみで音を出します。そしてはじいて音を鳴らした瞬間、指全体が脱力します。次の弦を弾く指に力が移動するように、また第二関節から折り曲げるつもりではじきます。引き終わった指は掌の真ん中に握るようにしっかり折り込みます。全ての指は弾く直前にだけ第二関節にだけ、力を入れます。そしてすぐ抜きます。弾く時、第二関節以外、手の甲、手首、腕などは全てリラックスします。
親指は少し特別で、弾いた後の脱力が特に難しいですが、曲げるのはやはり第二関節からです。そこを押すような力で弦を向こうへ(ハープの柱の方)しっかりしならせてかまえ、はじきます。音が鳴り指が弦から離れた瞬間に即、脱力!親指全体、付け根から手首まで完全に脱力させて終了です。
親指を弾くと特に手首が固くなりやすいのでがんばって抜きましょう。手首はよく回転してクタクタに柔らかいくらいがいいです。
重厚な弦の響きと心を揺さぶるような音の振動、高音域ではこの上なくきらびやかに美しいアルペジオですが、音の粒を均等にそろえるのが難しく、固い響きになる事もよくあります。
全ての音価を揃えたり、音量や弦へのタッチを統一させる訓練が必要です。両手で弾く8つの音のアルペジオは難しいですが、きれいに整える方法があります。
たとえば一番下からドミソド(左手4321)ミソドミ(右手4321) という和音を練習します。
練習①
下のドから♪♩♪♩♪♩♪♩のリズムのように8つの音を弾きます。注意するのは♩で止まる時長く、そして止まった指の力をしっかり抜きます。毎回♩のたびにです。
とにかくゆっくり練習してください!
練習②
同じく下から♬♩♩♬♩♩ 注意点は同上、♩で止まった2と1の指ほぐすように脱力。
練習③
次は少し複雑ですが、ドミソ(♬♩)ドソドソド(♪♪♪♪♩)つまり指は432 12121ここまで左手、右手も同じ動きをします。この練習は2の指と親指を特にほぐすためです。1212とやる時手首をとにかく柔らかく回転させてください。
練習④
更に下から上がってUターンして下るパターン。ドミソドミソドミ(左4321右4321)と上がってドソミドソミド(右234左1234)と下がる。弾いた直後に構える動きが指を強くし、ほぐします。
練習⑤
最後に全ての指でこの和音の構えをして、しっかり弦をしならせて音をほとんど鳴らさず手を握る。(触るだけ)そしてリラックス。次に今より少ーしだけ音を鳴らして手を握る(pppピアノピアニッシモ)。リラックス。また、少しだけ強く鳴らして(ppピアニッシモ)リラックス。また少し強く…を繰り返してだんだんフォルテ、フォルティッシモまで練習すると、かなり豊かな響き&全ての指がブリランテな和音に整います。
特別なシーンに登場するハーモニクスは、湖面に広がる波紋の様に響かせたいものです。
楽譜上では、音符の上に小さな○が記されています。弦の長さをちょうど半分にした場所を抑えて弦の長さを半分にした上ではじくことで、1オクターブ高い音を出します。
右手は、おさえるのは人差し指の第一関節と第二関節の間の肌、弾くのは親指です。おさえてる肌で弦をこすり(あたかもその部分ではじき音が鳴るくらい強く)手首のひねりとともにこすり上げる。以上の動作をしながら親指で弦を弾く。親指の弦へのあて方はハーモニクスの場合、親指の少し端の方がきれいに鳴ります。弾いた指が弦から離れた瞬間、すばやく脱力します。手首から腕も全て力を抜いてください。
左手は、2つの弾き方がある様です。
①親指の下側の肉の厚い部分を弦にあて、その親指で弦を弾きます。
②チューリップのような形にします。弦をおさえるのは小指側の手のひらの脇の部分。ここを弦の長さの半分から上方に向かってこすり上げる(手首を時計回りに回転させながら)と同時に親指で弦を弾きます。
①は比較的シンプルですぐに音が出ます、が、固くストレートな音になりがち。
②は発音、脱力が容易ではないけれど、柔らかくて響きのある、倍音たっぷりの音色が作れます。
ハープで弾いた弦は振動しています。弾いた直後の大きな振動が収まるまで3秒〜5秒ですが、その間に指や特に爪が触れるとノイズになります。
振動している弦の上隣の弦に構えなければならない時、指を入れる角度に注意して、なるべく爪から行かないようにします。
そして、とにかく手全体の力を、出来る限り抜いてその動作をする事です。
振動している弦自体、またその近辺の下方音域を弾く場合は響いている音を止めなければなりません。どれだけ華麗に止めて次の音に移行できるかは、やはり手首の脱力にかかっています。更に、準備するタイミングを少し遅らせる事も大きな効果を生み出します。
何度弾いても引っかかってしまう、ペダルが間に合わない、ノイズがしてしまう。。曲を練習していると、そういう箇所が必ずあります。
でも必ず弾けるようになる方法があります。
まず、上手く弾けない箇所を長くても3小節くらい抜き出します。そこを、今弾こうとしているテンポの2倍〜3倍遅く(いえ、もっと遅くてもいいです!)いわば「スーパーレント」で弾きます。めちゃくちゃ遅く!ゆっくり!これは、その難しくて弾けない場所を正確な音で、ノイズも一切させずに、とてもレガートに、そして全てフォルテで完璧に弾ける、というテンポです。
一度それができたら、もう一度同じテンポでまたまたとてもゆっくり、正確に、きれいにフォルテで!
....これが5回できれば、その部分はかなり上達しています。
忍耐を持ってゆっくり&正確にそしてフォルテで!
それでもできない時は、、、
苦手な部分の一番終わりをゆっくり弾きます。弾けたらその一つ前のフレーズ(拍または固まり)をつけ加えて弾いて、弾けたらまた更にその前のフレーズを付け加えて弾く、、と段々前の部分を足していく練習の方法はいかがでしょう?後ろから戻る、練習の方法です。
ずっと弾いているとハマってしまって出来なくなったり辛い時もありますが、あまり頭でコントロールしようとせず、手に任せて、腕、身体、指先が自分から能動的に動いてくれるように、トレーニングしてみてください。頭があまり介入しすぎない方が上手くいくかも!
ハープの高音域がかたい、キンキンする、耳に痛いなどと感じる方は多いようです。和音、旋律問わず、音が「キツい」と感じ、ただ抜いて弾いてしまう(ちょっと弱く弾いてしまう)事があります。
ですが…もったいない…!
ハープの高音域ほど深く、神々しく比類なき音があるでしょうか?この響きを身体で直に受けられる、奏者の特権です!
しっかりつかんで、いいタイミングで完全に脱力する、これができれば必ず求めている音が出せるはずです。
右手で高音域のメロディーを出したいとき、親指の使い方が重要になってきます。親指がいい音で歌えると、メロディやアルペジオ、オクターヴでの連打も美しく響かせられます。ですが親指をいい音で弾く、これが一番難しいテクニックかもしれません。
親指で悩んでいる人は多いです。
親指は他の指と付いている位置と形、動き方が少し違うので、リラックスのさせ方も違います。大切なのは、親指全体の筋肉を使い、特に付け根から押すようにして弦をプラセー(弾く前に弦をしならせる事)して、そしてはじき、その瞬間脱力する事です。
加えて大切なのは、手首の回転です。そして第一関節を意識して曲げながら弾くと更に音色が美しくなり、芯のある響きが作れます。親指でメロディを出すときは親指を立てすぎないで少し倒して(寝かせて)弾くと歌いやすくなります。手首、腕や肩もしっかりリラックスしてるか確認しながら練習しましょう。
和音やアルペジオの時は、その構成音全ての指がそれぞれ弾き終わるタイミングでしっかり脱力します。どれか一つの指に力が残ってしまうと全体が固い音になってしまうので、どの指もしっかりほぐれているか確認し、そのための練習方法を探しましょう。
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